家の中や周辺でネズミを見かけると、「何か病気を持っているのでは…?」と不安になりますよね。
特に、サルモネラ菌はネズミが媒介する代表的な細菌で、知らず知らずのうちに人に感染することも。
症状が重い場合には食中毒として病院に運ばれるケースもあるため、正しい知識を持つことが大切です。
この記事では、
- サルモネラ菌の特徴と症状
- ネズミが菌を運ぶ経路
- 感染を防ぐための具体的な対策
をわかりやすくまとめています。
ネズミ被害に悩んでいる方や、食品衛生が気になる方はぜひ最後までご覧ください。
サルモネラ菌とは?基本知識
サルモネラ菌という名前は聞いたことがあっても、詳しい症状や原因までは知らない方も多いのではないでしょうか。
まずは基本的な特徴や感染した場合の症状について見ていきましょう。
サルモネラ菌の特徴
サルモネラ菌は、人や動物に感染症を引き起こす細菌の一種です。
正式には「サルモネラ属菌」と呼ばれ、2000種類以上の型が存在しています。
特に食中毒の原因菌として有名で、鶏肉や卵などからの感染例が多く報告されています。
人に感染したときの症状・潜伏期間
サルモネラ菌に感染すると、主に次のような症状が現れます。
- 激しい下痢
- 発熱
- 腹痛
- 吐き気・嘔吐
潜伏期間は通常6時間~72時間と幅があります。
多くは自然に回復しますが、子どもや高齢者、免疫力が低下している人は重症化するリスクが高く、注意が必要です。
サルモネラの臨床症状は多岐にわたるが、最も普通にみられるのは急性胃腸炎である。通常8~48時間の潜伏期を経て発病するが、最近のEnteritidis感染では3~4日後の発病も珍しくない。症状はまず悪心および嘔吐で始まり、数時間後に腹痛および下痢を起こす。下痢は1日数回から十数回で、3~4日持続するが、1週間以上に及ぶこともある。小児では意識障害、痙攣および菌血症、高齢者では急性脱水症および菌血症を起こすなど重症化しやすく、回復も遅れる傾向がある。
どこに潜んでいる?食品・環境例
サルモネラ菌は主に動物の腸内に生息しており、糞便を通して環境中に拡散されます。
特にリスクがあるのは以下のものです。
- 生肉・生卵
- ペット(爬虫類、ネズミやハムスターなどの小動物)
- 汚染された水や土壌
- ネズミやゴキブリが通る場所
ネズミとサルモネラ菌の関係
ネズミがサルモネラ菌を運ぶと聞くと驚くかもしれませんが、実は家庭内でもリスクが潜んでいます。
ここではネズミと菌の関係性、感染の仕組みを詳しく解説します。
ネズミが菌を運ぶ理由
ネズミは、狭い場所や不衛生な環境を好んで行動します。
その際、サルモネラ菌を含む病原菌を体の表面や糞尿を通じてまき散らします。
特に、キッチンや食品保管場所に侵入した場合、人への感染リスクが高まります。
ネズミ→人への感染ルート【具体例】
以下は、ネズミから人にサルモネラ菌が感染する具体的なルートです。
- 台所の食器や調理台にネズミの糞尿が付着し、調理中に手を介して菌が食品に移る
- ネズミがペットフードを荒らし、汚染されたままペットが口にする
- 天井裏に侵入したネズミが、糞尿をまき散らし、それが空気中の塵とともに舞い落ちる
- ネズミが倉庫内で食材の袋をかじり、中の食品が汚染される
特に、夜間に行動するネズミは人目につきにくく、気づかないうちに被害が進行しているケースも多いです。
実際の被害例・ニュース事例
過去には、飲食店でネズミの侵入が原因で集団食中毒が発生したケースもあります。
また、家庭内でペットがネズミと接触し、間接的にサルモネラ菌に感染する例も報告されています。
ねずみが媒介したサルモネラ症の食中毒としては、1936 年に浜松市で発生した、中
学校の運動会で配られた大福餅による食中毒事件(発病者 2,201 名、死者 45 名)が最
も有名である。
出典:「Ⅲ 被害の実態」東京都保健医療局
ネズミ駆除の基本とポイント
ネズミによる被害を防ぐには、しっかりとした駆除と予防が必要です。
ここでは、自分でできる駆除方法から専門業者に依頼するケースまで紹介します。
自分でできるネズミ駆除
市販の粘着シートやバネ式トラップ、忌避スプレーなどを活用して駆除が可能です。
設置する際は、ネズミの通り道(壁際や家具の隙間)を重点的に狙うと効果的です。
侵入口を塞ぐ・環境改善
駆除だけでは再発防止は難しいため、次の対策も重要です。
- 壁や床の小さな穴を金網やパテで塞ぐ
- 生ゴミを放置しない
- 食品を密閉容器に保管する
- 家の周囲の雑草やゴミを片付ける
これらの環境改善は、ネズミの再侵入を防ぐうえで欠かせません。
専門業者に依頼する場合
自力での駆除が難しい場合は、専門業者に依頼するのも選択肢です。
調査・駆除だけでなく、再発防止のアドバイスまで対応してくれるため、被害が深刻な場合は早めの相談をおすすめします。
感染予防のための衛生管理
ネズミ駆除と並行して、日ごろからの衛生管理も大切です。
ここでは、家庭でできる感染予防の基本を紹介します。
食品・台所の衛生管理
- 食品は冷蔵・冷凍を徹底し、調理前後は必ず手を洗う
- 調理器具やシンクはこまめに洗浄・消毒
- 生肉や卵を扱った後のクロスやタオルはすぐ交換
ペットや子どもがいる家庭の注意点
ペットの餌皿やおもちゃも清潔に保ち、外から持ち帰ったものは一度洗浄するように心がけましょう。
小さなお子さんが床を触ることも多いため、定期的な掃除が重要です。
発症時の対応と医療機関を受診する目安
下痢や腹痛が長引く、もしくは発熱が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
特に高齢者・乳幼児は脱水症状など重症化することがあるため、慎重な対応が求められます。
まとめ|ネズミ&サルモネラ菌から身を守る
サルモネラ菌は、ネズミを媒介として家庭内にも持ち込まれることがある見えない脅威です。
感染を防ぐには、ネズミ駆除と日ごろの衛生管理を徹底することが大切です。
早めの対策で、安心・安全な住環境を守りましょう。
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